宮古織物事業協同組合ブログ

畑の草取りをしていたら大きな蜘蛛が巣をはっていました。
よく見たらその糸の細さに驚かされました。

私たちは細いもののたとえに「髪の毛ほど」と言います。
健康な人の髪の毛の太さは約0.05mmほどで、たしかに非常に
細いといえますが、世の中にはもっと細い糸があるんですね。

クモの糸は、太さ5～10μm（マイクロメートル：千分の1mm）
しかないそうです。

しかも、糸の強度は同じ太さの鋼鉄の5倍、伸縮率はナイロンの2倍！
鉛筆程度の太さの糸で作られた巣を用いれば、理論上はなんと飛行機を
受け止めることができるといわれているそうです。

蚕が作る絹糸よりも使用範囲が広いように思いますが、実用可されて
いるのはあまり聞きません。しかし、

クモの糸の繊維としての利用例もあり、特に、フランスでニワオニグモの
卵嚢の糸から靴下や手袋が試作され、当時の万国博覧会に出品されたとの
例もあります。

蜘蛛の糸は粘着があるのは横糸で縦糸には粘着がなくクモ自身は粘着のない
縦糸を伝って移動しているようです。

また、クモ糸は最近まである産業の重要な資材になっていた事、知ってましたか？

銃の照準器の十字目盛りがそれで、強靱で弾力性に富み、
温度変化にも狂わない特性は、人工繊維の遠く及ぶところではなかった。
この目的のためには、屋内性のオオヒメグモの卵嚢を包む
極細の糸が最高とされていた。

近い将来、私達の身の回りでクモ糸が多用される時代がくるかも
しれませんね。